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体験日 :16/02/14

    季の山・雲海・かやぶきの宿 やきもち家

夫婦で行く史跡巡り〜いにしえに想いを馳せる信州冬の旅〜

nanami
(東京都/20代/女性/主婦)
同行者:夫婦

長野駅から送迎バスに揺られて約30分。どんどん山奥へ進み、道に積雪が見えてくると中条村がカナダに似ているという言い伝えは本当なのだと思えてきた。宿に到着したときの感動は未だに忘れることができない。絵本や文庫本での挿絵でしか見たことのない、茅葺屋根の大きな宿が雪深い山々の合間に現れたのだ。中に入ると囲炉裏の煙に全身を燻され、この地の洗礼を受けたような気がした。信州の食材を堪能できる食事に、檜の香る貸切風呂。なにより宿の名前にもなっている"やきもち"が絶品であることだ。これ以上のおやきに今後出会えるか分からない。

絶品お焼きを自分で作る喜び

おやきは水田が少ない山間の畑作地帯のかつては日常食で、美味しく作れる女性が男性に人気だったようだ。皮を薄く伸ばし、包めるのか不安になるくらい沢山具材をのせ、こぼさないように慎重に包んでいく。囲炉裏に吊るした鉄鍋で表面を焼き、灰の中で蒸し焼きにする。そのため冷めても外は香ばしく、なかはしっとりふっくらで美味なのだ。こんなに美味しいおやきを初めて食した。囲炉裏を囲み、互いの形を見比べては、やれどちらのほうが上手くできただの言い合いながら過ごす。初めて顔を合わせた人と、この体験がきっかけで家族のように親しくなってしまうから不思議である。

茅葺屋根の古民家には人の笑い声が良く似合う。大勢の人々が囲炉裏を囲み、旅の話や日々の暮らしなど話に花が咲く。だからこそ、家族旅行や団体客だけでなく一人旅やカップル、友人と過ごす場としても適していると思われる。

  • 都心からおよそ1時間30分で味わえる情緒豊かな宿は、都会の喧騒を忘れさせるとともに自然のなかで生きる生活を教えてくれる。滞在中は天気に恵まれたが、山から立ち昇る水蒸気が印象的だった。条件が揃うと雲海が見られるそうで、次回は是非とも雲海を目にしたいものだ。

  • 出迎えてくれたのは、冷えた身体を芯から温めてくれる囲炉裏と炭火の香り。慣れるまでは煙たく感じたが、パチパチとはぜる火を見つめていると、優しい山姥の家にお邪魔したような錯覚に陥ってしまう。木材は炭の煙で燻され、艶やかな黒を纏っている。そんな空間に身を置いていると、あっという間に時が経っていた。

  • 木の香りが漂う和洋折中の寝床は、里山の風景を一望できる飾らない凛とした美しさが魅力の和風モダン。広々とした室内で、コテージを思わせる。とても清潔感があり、ファブリーズやアメニティも充実している。窓の外に広がる景色は、泊まった人だけが体験できる絶景である。

  • 独創的な四季を彩る食事が楽しめる。昼食は中条村ならではの食文化である箱膳と信州蕎麦。食は山の幸を堪能できる炭火焼。特に印象的なのは、夕食時のぶっこみだ。本当に美味しく、野菜が苦手な方でもお代わりしてしまうだろう。セルフサービスの部分が多いので、祖父母の家に帰ってきたような自由な気持ちになれた。

  • 豊かな大自然を感じながら入るお風呂は格別だ。梅木鉱泉から引いてきた温泉を加熱したナトリウムイオン泉。雪が積もるなか温かいお湯に身を投じ、暗い眺めを見つめていると、日常の憤りが些細なことに思えてくる。内湯、露天風呂、桶風呂だけでも疲れを癒すことができるが、檜風呂の貸風呂は夫婦の会話を弾ませてくれた。

  • 到着してすぐ、心身ともに癒してくれた甘酒。米と麹だけで作られた優しい味わいに、夫婦揃って骨抜きにされた。今思えば、やきもち家の温かさはここから始まっていた。やきもち家で働く人はどなたも心が優しく、丁寧な方ばかり。何か困ったことや旅の相談があれば尋ねてみると、温かな返答をすぐもらえるだろう。

ベーゼンドルファーの音色を求め音楽堂へ

車・バイクで、4分

旧日下野小学校の体育館を改修した木造りの音楽ホールである、中条音楽堂。こちらに設置されているのがウィンナートーンの代名詞となった、ベーゼンドルファー モデル275。象牙白鍵、黒檀黒鍵、そして通常のピアノより低音側に4鍵拡張された92鍵の鍵盤を持つフルコンサートピアノであり、リストの腕力と技巧に耐えた唯一のピアノだと言われている。音楽の合宿場として、今後多くの人々に利用されることを祈るばかりだ。

松代 歴史探索

車・バイクで、30分

川中島古戦場 八幡社を訪れ、武田信玄と上杉謙信との一騎打ちの地を満喫し、史跡松代城跡、真田宝物館、真田邸にて松代藩真田家10万石の歴史を辿ることができた。他にも松代象山地下壕にて、平和について考えた。

聖徳太子と縁が深い善光寺周辺散策

車・バイクで、25分

善光寺表参道とその周辺に点在する7つの寺社をめぐり、聖徳太子(蘇我善徳)の寺であると言われている善光寺境内を散策。爪彫如来に視力高上を願った。回向柱を触ることで福も得た、有難い観光であった。

茅葺き屋根の家屋、囲炉裏、郷土食、そして自然。ほかには何もいらない信州の休日

季の山・雲海・かやぶきの宿 やきもち家
  • 026-267-2641
  • http://yakimochiya.jp/
  • 長野県長野市中条日下野5286-1